相続手続

寄与分とは? 制度の仕組みや要件、主張のポイントをわかりやすく解説

相続の場面では、亡くなった方(被相続人)を長年介護していた相続人や、家業を長年手伝っていた相続人などが、「自分が多く財産をもらえないと不公平だ」と感じることがあります。このような状況を調整する制度が寄与分という考え方です。寄与分については民法で定められており、介護や労働などにより被相続人の財産の維持・増加に貢献した相続人に多く財産を分配することで、不公平感をなくす仕組みになっています。ただし、寄与分が認められるには様々な要件があり、その性質から、相続争いといったトラブルに繋がってしまうことも少なくありません。この記事では、寄与分の基本や認められるための要件、主張のポイントをわかりやすく解説します。
相続手続

相続手続きのために必要な戸籍の集め方|広域交付制度も解説!

相続手続きを始めるには、「誰かが亡くなったこと」や「その人の相続人が誰であるか」を証明するために、戸籍を集める必要があります。しかし単に戸籍を集めるといっても、事案によって簡単な場合と難しい場合とがあり、相続人が多い場合や明治・大正時代の戸籍まで必要になる場合には、戸籍の収集に手間がかかることがあります。また、近年には、そのような手間を解消するための新しい制度も登場しました。今回は、相続手続きに必要な戸籍の集め方や、戸籍の広域交付制度について詳しく解説します。
遺言・生前対策

公証役場とは? 機能や公証人の役割、公正証書の作り方を解説!

遺言や離婚、金銭の貸し借りなどの法的手続について調べていると、「公正証書」や「公証役場」という言葉が目に留まることがあるでしょう。公正証書とは、個人間の法律に関する文書(契約書、遺言書、委任状など)に公文書としての拘束力をもたせたものです(例えば、公正証書で遺言を作れば裁判所での検認が不要になりますし、公正証書で金銭消費貸借契約書を作れば強制執行が容易になります)。この公正証書を作成するには、国の機関である公証役場を利用しなければなりません。公証役場には「公証人」という法律家が常駐しています。その公証人と打ち合わせをして公正証書の内容を決め、最終的には、公証人が公正証書を作ってくれます。あまりなじみがない機関ではありますが、公証役場は、大きな契約や相続手続などの人生の重大な場面において重要となる場所です。この記事では、公証役場の機能や公証人の役割、公正証書の作り方について、わかりやすく解説します。
相続税

相続税の基礎知識をやさしく紹介! 計算方法や基礎控除、対象財産まで、基本を解説

相続税は、被相続人(亡くなった方)から財産を受け継ぐときに課される税金です。しかし、「そもそも相続税は誰にどのようにかかるのか」「どの財産が課税対象なのか」「計算方法はどうなっているのか」といった点は、実際に相続を経験するまで詳しく知る機会が少ないかもしれません。相続税は金額が大きくなることも多く、また申告期限も限られているため、基礎的な知識を理解しておくことが、スムーズな手続きと節税対策につながります。今回は、相続税の基本的な仕組みから、基礎控除の考え方、課税対象となる財産、計算方法まで、順を追ってわかりやすく解説します。なお、今回はあくまで基本の解説です。相続税についてざっくりと知りたい方はぜひご覧ください。
ファイナンシャル・プランニング

ファイナンシャル・プランニングとは? 基本的な考え方や知っておきたいポイントを解説!

お金の管理や将来の備えは、誰にとっても重要なテーマです。日々の生活費や教育資金、住宅ローン、老後資金など、人生の節目には大きなお金が必要になります。しかし、その資金をどのように準備し、計画的に使っていくかは、思いつきや勘だけではうまくいきません。こうした長期的かつ総合的なお金の計画を立てることを「ファイナンシャル・プランニング」といいます。本記事では、そんなファイナンシャル・プランニングの基本的な考え方や具体的なポイント、実践方法について詳しく解説します。
相続手続

相続した家の名義変更をしないリスクとは? 放置するリスクや相続登記の義務化について解説!

相続によって不動産を取得した場合、本来は速やかに名義変更(相続登記)を行う必要があります。しかし、「すぐに売るわけじゃないから」「面倒だから」と、先延ばしにする方も少なくありません。相続によるの名義変更を放置すると、売却や担保設定ができなくなるだけでなく、将来的に相続人が増えて手続きが極めて複雑になるおそれがあります。さらに、2024年4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に手続きをしない場合、10万円以下の過料が科される可能性もあります。本記事では、相続登記をしないことで生じる具体的なリスクや、相続登記の義務について、詳しく解説します。
相続手続

限定承認とは? 相続放棄との違いやメリット・デメリット、手続きの流れを解説!

相続では、プラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も引き継ぐことがあります。もし亡くなった人(被相続人)に多額の負債があると分かっている場合、相続人は「相続放棄」を選択することが一般的ですが、相続放棄をするとプラスの財産もすべて失ってしまいます。そこで、プラスの財産の範囲でマイナスの財産を返済し、残りがあれば受け取ることができる制度として「限定承認」があります。限定承認はあまり利用例が多くない制度ですが、特定のケースでは非常に有効です。今回は、限定承認の概要や相続放棄との違い、メリット・デメリット、手続きの流れまで詳しく解説します。
家族信託

家族信託とは? 仕組みや手続きの流れ、メリット・デメリットを解説

急激な少子高齢化が進む今、「もし自分が認知症になったら、財産の管理はどうなるのか」と不安に思う人が増えています。預貯金や不動産の管理、今後の資金計画、施設への入居費用など、不安は多岐に渡るでしょう。そんな状況で近年注目されているのが、家族信託(民事信託)という制度です。家族信託は、従来の成年後見制度や遺言ではカバーしきれない、財産管理や資産承継の柔軟な手段として、活用が広がりつつあります。この記事では、家族信託の基本的な仕組みから手続きの流れ、メリット・デメリットまで、司法書士の視点からわかりやすく解説します。